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佐藤 勝也; 武田 喜代子*; 鳴海 一成*; 大津 直子*; 横山 正*
no journal, ,
根粒菌はマメ科植物と共生し、窒素栄養をマメ科植物に供給する。現在、化学肥料からの脱却を目指し、東南アジア等では、この共生関係を生かした根粒菌バイオ肥料の利用が奨励されている。しかし、化学肥料とは異なり、バイオ肥料は、輸送や保存時の高温による接種菌の活性低下等の問題があり改良が望まれている。これまで我々は、ダイズ根粒菌の温帯優良接種菌株である USDA110株を対象としたイオンビーム突然変異育種を行ってきた。そして、42Cの液体培地中で少なくとも1週間は高い生存率を維持することが可能な高温耐性変異株の取得に成功した。本研究では、次世代シークエンサーを用いて高温耐性変異株の全ゲノムを解読し、野生株との塩基配列の比較によってDNA変異部位を同定した。ゲノムDNA塩基配列の比較解析の結果、高温耐性変異株M14において、1.27Mbpの逆位という大規模なゲノム構造変異、及び一塩基置換・欠失及び挿入などの18ヶ所の小規模なDNA塩基変異が存在することを明らかにした。これらの大規模な構造変異あるいは小規模な遺伝子変異がM14株の高温耐性に関与している可能性が考えられた。